指数が横ばいの間に14日で60ドル — 半導体が市場の本当の背骨である理由
指数が横ばいの間に14日で60ドル — 半導体が市場の本当の背骨である理由
市場の本当のエンジンは半導体だった
S&P 500とナスダック100が史上最高値で揉み合っている間、実際に仕事をしていたのは半導体だ。SMHは4月9日に史上最高値の427をブレイクし、14日間で約15%、約60ドル上昇した。同期間のSPY・QQQはボックス内の横ばい。相対パフォーマンスの差は圧倒的だ。
比較すべきは1月〜2月の動きだ。当時もATHブレイクを狙ったが、同程度の60ドルの上昇には2か月近くかかった。今回は2週間。モメンタムの質が違う。
これが単なる「AIテーマ相場」なのか、構造的なものなのか。個別に分解すれば、構造的だとわかる — CapExサイクルだ。
1) NVDA — 200ドル奪還
エヌビディアは200〜204ドルゾーンに戻っている。前回ATHから大きな調整を経た後の復帰だ。データセンターGPUのASPがもう一段上がる前提を市場が織り込み始めている。センチメントトレードではなく、ASP前提が上方修正されたシグナルだ。
2) AMD — 垂直上昇
私は長期銘柄としてAMDを推さない。収益ミックスが狭く、マージン構造はNVDAと比べると見劣りする。しかし価格は否定できない。チャートはほぼ垂直で、これは市場が「2位のアクセラレータが安いままでいる」忍耐の限界に達した合図と読む。
3) AVGO — 353ドル突破からATH更新
ブロードコムは353ドルを抜けた後、上のレベルを次々に通過してATHを更新した。ドライバーはハイパースケーラー向けカスタムASICの需要で、これはNVDAの汎用GPUサイクルとは別系統だ。だからNVDAが休んでいる日でも買いが抜けない。
4) SMH — 14日で60ドル
指数レベルで60ドルは通常2か月分の動きだ。それを2週間に圧縮するには3つの要因が同時に効く必要がある — (1)マクロの追い風、(2)個別銘柄のモメンタム、(3)ショートカバー。今は3つ全部揃っている。
半導体とMag 7の分離
同じ期間にMag 7内部は綺麗ではない。メタは200日線を維持できず拒絶された。マイクロソフトも100日線で跳ね返された。ネットフリックスは再び弱い。半導体と他のビッグテックの差は拡大している。
シグナルは明確だ — この相場の駆動力は「ビッグテック全般」ではなく「AIインフラCapExサイクル」だ。CapExを受ける側と出す側が分離している。
何がこの流れを止めるか
私がこのサイクルを再評価する2つのトリガー:
- ハイパースケーラーのCapExガイダンス下方修正: AVGOのモメンタムを最も速く奪う材料。
- HBM価格ピーク示唆: SKハイニックス・マイクロンから価格ピークの言及が出れば、NVDAのASP前提が即座に揺らぐ。
これらが出るまで、半導体は相場の主柱として扱う。
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