米イラン停戦ラリーを信頼できるか — テクニカル・センチメント・シーズナリティが示すもの
米イラン停戦ラリーを信頼できるか — テクニカル・センチメント・シーズナリティが示すもの
S&P 500の38.2%フィボナッチ・リトレースメントが5,630と正確に重なっている。この水準は下落局面でサポート、反発局面でレジスタンスとして機能した。現在、指数はその上に位置している。
米イラン停戦発表後、市場は急騰した。ナスダックとS&P 500はともに力強いギャップアップでスタートし、暗号資産も連動して上昇した。問題は、このラリーを信頼できるかどうかだ。
私の答えは条件付きのイエスだ。
テクニカルブレイクアウトが先行した
チャートで興味深い点がある。ラリーは停戦ニュースがきっかけで始まったわけではないということだ。
ナスダックは数週間続いた下降トレンドラインをすでに上方ブレイクしていた。買い手がヘッドラインより先に動いていた。これは単なるニュース反応ではなく、市場内部で方向転換がすでに進行中だったことを意味する。
S&P 500も同じだ。5,630ライン——過去のスイングでサポートとレジスタンスの両方として機能した水準——を上方ブレイクした。フィボナッチ38.2%リトレースメントと正確に一致するこの水準が重要なのは、機関トレーダーがトレンド転換後のプルバック・エントリーで最初に確認するポイントだからだ。
私が注視しているシナリオはシンプルだ。現在のレベルから38.2%リトレースメントまでの一時的な調整があれば、それは買いのチャンスになり得る。61.8%リトレースメントの下にストップロスを設定すれば、リスク・リワード比はかなり魅力的になる。
センチメントが叫ぶ逆張りシグナル
価格だけを見ていたわけではない。
AAII投資家センチメント調査で注目すべき変化が捉えられた。3月30日〜4月5日の週に弱気センチメントが極端値に達した——過去6ヶ月、おそらく12ヶ月で最も悲観的な数値だった。
では今はどうか。弱気センチメントが冷え始め、強気センチメントがわずかに上向いている。
バックテストのデータは明確だ。弱気センチメントが35%を超えた時のS&P 500の将来リターンを計算すると、1日、1週間、1ヶ月、6ヶ月、12ヶ月のすべての期間で長期平均を上回る。S&P 500の年間平均リターンが9〜10%であるのに対し、極度の悲観時にエントリーした場合はそれを超えるパフォーマンスを示してきた。
極端な弱気心理は、歴史的に売りではなく買いのシグナルだった。
シーズナリティが追い風
4月は歴史的に良い月か。過去10年のデータを見ると、2月と3月が最も厳しい時期だった。現在、その区間を通過した状態だ。
夏場——5月から7月——は、直近10年間で実際にかなり良いパフォーマンスを記録した。「Sell in May and go away」という古い格言は、過去10年で実行していたらむしろ損失だった。夏に離脱した投資家は、年間で最も好調な期間の一部を逃した。
ただし今年は中間選挙という変数がある。歴史的に中間選挙の年は不確実性が高まり、市場のボラティリティが拡大する傾向がある。シーズナリティだけでオールインはできないが、テクニカルブレイクアウト+センチメント反転と合わせて方向性を支持する要素であることは確かだ。
リスクと反論
私が「完全強気」を叫ばない理由は明確だ。
第一に、停戦が崩壊する可能性がある。両者はデエスカレーションの意思を示しているが、中東情勢はいつでも悪化し得る。これは予測ではなく、方程式に残しておくべき可能性だ。
第二に、原油がバレル100ドル以上に留まっている。停戦発表でも下がらなかった。高い原油価格が持続すればインフレ懸念が再燃し、FRBの利下げはさらに遠のく。
第三に、PCEインフレ率が3%で、FRBの目標2%との乖離は依然として大きい。インフレが粘着的な状態でラリーの持続力に疑問が付くのは自然だ。
だから私のポジションは「やや強気」だ。オールインではない。プルバックが来れば、ウォッチリストから銘柄を選んで少量ずつ買うが、レバレッジをかけたり集中投資するのはこの環境では適切ではない。
テクニカルブレイクアウトは到来し、センチメントは逆張り買いを支持し、シーズナリティも好意的だ。しかし原油とインフレというマクロの逆風はまだ消えていない。リトレースメントを忍耐強く待つことが、今できる最も合理的な判断だ。
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