原油価格の急騰は必ず反転する——50年間のデータが証明する事実
原油価格の急騰は必ず反転する——50年間のデータが証明する事実
原油価格がバレル100ドルを超えた今、問うべき問いがある。過去50年間で、原油の急騰が反転しなかったことが一度でもあっただろうか。
答えは明確だ。一度もない。
1973年:OPECの石油禁輸
OPECが石油禁輸措置を発動し、原油価格はバレル3ドルから12ドルへ4倍に跳ね上がった。エネルギー株は暴騰した。
だが禁輸が解除されると原油は下落し、エネルギー株も崩壊した。
1979年:イラン革命
その6年後、イラン革命が勃発。原油はバレル13ドルから40ドル近くまで急騰した。再びエネルギーセクターが市場を支配した。
そして反転した。1980年代半ばまでに原油価格は40%暴落した。
1990年:湾岸戦争
サダム・フセインがクウェートに侵攻。原油価格は一夜にして倍増し、エネルギー株は天井を突き抜けた。
戦争が終わると、すべて元に戻った。
2008年:投機的急騰
2008年は戦争ではなく、純粋な投機が原因だった。原油はバレル147ドルという前代未聞の価格を記録した。
5ヶ月後、80%暴落した。調整ではない。ほぼ全損だ。
2022年:ロシアのウクライナ侵攻
最も直近の事例だ。ロシアの侵攻によりブレント原油がバレル130ドルに達した。エネルギーETFが急騰し、アナリストたちは「エネルギースーパーサイクル」を語った。
4ヶ月後、原油は30%下落。高値で無敵に見えたエネルギー株はすべて大きく値を下げた。
5戦5敗——「エネルギー買い・テック売り」の罠
パターンは驚くほど一貫している。
原油が急騰する。投資家がエネルギーセクターに殺到する。テック株を売る。そして毎回、例外なく、急騰は反転する。エネルギーを買いテックを売った投資家は、5回中5回とも長期的に損失を被った。
今回のイラン危機でも同じ反射的トレードが繰り返されている。XLE、VDE、IXCが27%上昇する一方、QQQとテック株は下落中だ。多くの初心者投資家がこの上昇を見て飛び乗っている。
今回は違うのか
正直に言おう。毎回、その時点では「今回は違う」という説得力ある論理があった。
1973年には「OPECが永遠に供給を支配する」と。1979年には「イランの政権交代が石油供給を永久に変える」と。2022年には「ロシア制裁がエネルギー地図を塗り替える」と。
すべて一時的だった。
2026年のホルムズ海峡封鎖が深刻な事態であることは間違いない。だが50年分のデータが一貫して示していることがある。原油の急騰は一時的なボラティリティを生み出すが、市場の長期的な軌道を変えることはないという事実だ。
すでにエネルギーセクターに投資しているなら、現在の利益を享受できる。しかし今この時点で追随買いに飛び込むのは、歴史が5回連続で間違いだと証明したベットを繰り返すことに他ならない。
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