キャッシュ・セキュアード・プット:欲しい価格で買いながら「待つ対価」まで受け取る方法
キャッシュ・セキュアード・プット:欲しい価格で買いながら「待つ対価」まで受け取る方法
TL;DR キャッシュ・セキュアード・プットは「この価格で買う」という約束を売り、その対価にプレミアムを受け取る戦略です。株価が目標値まで下がれば欲しかった価格で買え、下がらなければプレミアムだけ手にします。私はこれで待機中の現金に年12〜16%を生み出しています。
なぜこの戦略を使うのか
25年前に知っていたかった戦略を一つ紹介します。キャッシュ・セキュアード・プットです。これのおかげで、私は買いたい会社を「追いかけ回す」ことなく、欲しい価格が自分に来るまでお金を受け取りながら待てます。今のように市場全体が割高な局面でも、どこを見てどう構えるかで機会はなお作れます。
核心の発想は単純です。どうせこの株を特定の価格で買いたい。ならば、その「買うという約束」を売って対価を受け取ろう、というわけです。
1. 待機中の現金を遊ばせない
最大の利点は、待つ間も現金が働くことです。私は買い場を狙う現金を90日物の米国債に入れ、年3.7%ほどを得ています。ここにプット売りのプレミアムが上乗せされます。後述のマイクロソフトの例のように1カ月物のプットを回し続ければ、一度も株を割り当てられなくても現金に年12.2%が乗ります。
2. 買う価格を自分が決める
この戦略の本質は「自分が決めた価格で買うよう、市場に対価を払わせる」ことです。私は追いかけず、パニックで買いません。価格を決め、待つ対価を受け取る。株がその価格まで来れば好きな価格で買った上にお金までもらった形になり、来なければプレミアムを手にして次の機会を見ます。どちらでも私は勝ったと感じます。
3. マイクロソフトで見る実戦
数字で見ましょう。マイクロソフトは現在375ドル、私の計算上の買値は約348ドル、便宜上350ドルとします。オプションチェーンで1〜2カ月先の満期(例:7月17日)を選び、350ドル権利行使のプットを売ります。
このとき市場はこう言います。「350ドルで買いたい?なら誰かがその対価に一株3.41ドルを払う」。満期に株価が350ドルより上なら私は株を受け取らず3.41ドルをそのまま手にします。350ドルより下がれば350ドルで買い、3.41ドルはそのまま私のもの。結局、実質の買値は346.59ドルになります。
一方で待機現金は米国債で3.7%を稼いでいるので、このプット回しを1年通して繰り返せば現金基準で年12.2%。一度も割り当てられない前提でです。もし355ドルで買ってもよければ、現金基準の利回りは15.5%まで上がります。
4.「株価がさらに下げたら損では?」という誤解
最もよくある反論です。満期にマイクロソフトが300ドルまで下げたら?私は依然350ドルで買い、3.41ドルを手にします。すると「45ドルの損では?」と言われます。
私はそう見ません。もし今日マイクロソフトが350ドルだったら、私はどのみち350ドルで買っていました。だから300ドルへ下げたときのその損失は、プットを売らずに買っても同じく出た損失です。唯一の違いは、私が待つ対価にプレミアムを受け取ったこと。その小さな違いが、実は大きな違いです。
もちろん感情的にはつらいこともあります。私はここを比較的耐えられますが、多くの人はここで揺らぎます。だからこの戦略は「本当にその価格で買いたい会社」にだけ使うべきです。
5. メタでもう一度
同じやり方をメタにも当てはめました。メタは現在573ドル、私の割引キャッシュフロー基準で570ドル、利益倍率基準で588ドル程度。ほぼ私の価値に張り付いています。そこで少し欲を出して535ドル権利行使のプットを見ると、誰かが一株7.15ドルを払うと言います。現金基準で16.8%の利回りです。
私は結局、マイクロソフトとメタの両方をこの価格帯でプット売りすることにしました。改めて言いますが、私がやるからといってそのまま真似しないでください。ただ、私がどんな根拠でどんなトレードをするかは透明に開示します。
FAQ
Q: キャッシュ・セキュアード・プットの最悪のシナリオは? A: 株価が権利行使価格を大きく下回っても、その価格で買わねばならない場合です。ただしそれは元々買いたかった価格であり、プレミアム分は損失を和らげます。だからこそ「本当に買いたい会社」にだけ使うのが肝心です。
Q: 株を割り当てられなければ損ですか? A: いいえ。その場合はプレミアムをそのまま手にし、現金は米国債の利息まで稼ぎます。私はこれを待機現金の利回りを高める道具と見ています。
Q: 初心者でもできますか? A: 仕組み自体は単純ですが、「その価格で実際に買いたい会社」と「割り当てられても耐えられる現金」が前提です。その二つがなければ、やらない方が賢明です。
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