エネルギー危機時代のポートフォリオ:今買うべきセクターと避けるべきセクター

エネルギー危機時代のポートフォリオ:今買うべきセクターと避けるべきセクター

エネルギー危機時代のポートフォリオ:今買うべきセクターと避けるべきセクター

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TL;DR パニック売り局面は終わりつつある。エネルギーインフラ(パイプライン等)と価格決定力のある企業が有利、航空・消費財・銀行・ユーティリティは不利。ポートフォリオのエネルギー感応度と金利感応度を今すぐ点検すべき。

全員がパニックで全てを売る局面は終わりに近づいている。VIXが急騰し、無差別に売られるパニックモードから、市場は次のフェーズへ移行している。エネルギーは上がり、航空は下がり、真の勝者に資金が流れるセクターローテーション局面だ。

今こそポートフォリオを点検すべき時だ。

注目すべき4つのセクター

1. エネルギーインフラ:「通行料徴収者」に注目

石油会社そのものより、パイプライン、メンテナンス、貯蔵施設といったインフラ企業の方が興味深い。これらの「通行料徴収者」は、原油が移動する限り利益を得る。価格の方向は関係ない。米国国内のエネルギーインフラが特に有利な位置にある。

パイプライン企業は、エネルギー危機のたびに安定した収益を記録してきた。価格が上がれば輸送量が増え、不安定になれば国内輸送需要が拡大するからだ。

2. 防衛産業:選別が鍵

防衛株は有望だが注意が必要だ。かなりの部分がすでに織り込まれている。まだ割安なインフラ関連の防衛企業を見つけることが重要で、割高な大手を追いかけるのは避けるべきだ。

3. 価格決定力を持つ企業

「この企業が価格を20%上げても、自分は使い続けるか?」

これがインフレ時代の最もシンプルなフィルターだ。大型テクノロジー企業と一部のヘルスケアがこのカテゴリに入る。最近の下落幅が大きい銘柄の中で、価格決定力の強い企業は今が買い場かもしれない。コロナ期のインフレでも、こうした企業が最も早く回復した。

4. 長期視点での金

現在の暴落にもかかわらず、十分に長い時間軸があれば金は依然として魅力的だ。機関投資家が現在強く買っているというデータがこれを裏付けている。

避けるべき4つのセクター

1. 航空:地球上最悪のビジネスモデル

航空は原油危機で最も直接的な打撃を受ける産業だ。300席の飛行機に300枚のチケットを売れば利益が出る。301人目の客が来たら?新しい飛行機を飛ばす必要があるが、満席になるまで赤字だ。地球上で最悪の経済構造と言っても過言ではない。そこに燃料費急騰が加われば、マージンは完全に消える。

2. 消費財・小売

消費支出が急速に縮小している。一部の銘柄が売られすぎ圏に入った可能性はあるが、全体的にインフレ環境で消費財は圧迫される。

3. 銀行・金融

金利敏感セクターの代表格。金利が高止まりするか、さらに上昇する可能性がある現状では、融資需要の減少と信用リスクの増大が懸念される。

4. ユーティリティ:過大評価された安全資産

ユーティリティはディフェンシブとして人気を集めたが、やり過ぎた感がある。価格引き上げには政府の承認が必要で、政治的に不人気な決定のため簡単に許可されない。インフレが上昇するとコストは増加するが価格は上げられない。マージン圧縮が続く。

今すぐ点検すべき3つのこと

市場がパニックからローテーションへ移行する今、3つを点検すべきだ。

第一に、エネルギーエクスポージャー。 ポートフォリオにエネルギーコストに敏感な企業(アルミニウム等の製造業)がどれだけあるか確認すること。

第二に、金利敏感銘柄の比重。 REIT、ユーティリティ、高成長株はすべて金利上昇局面で不利だ。

第三に、エネルギーインフラの組み入れを検討すること。 パイプライン、貯蔵施設、メンテナンス企業など、米国国内エネルギーインフラがこの環境で最も安定した恩恵を受ける。

あらゆる危機は富を再分配する。パニックに陥るか、ギャンブルするか、それともメカニズムに基づいて構造的にポジショニングするか。その違いが結果を分ける。

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Ecconomi

米国大学 Finance & Economics 専攻。証券会社レポートアナリスト。

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