マグニフィセント7・6ラウンド対決、エヌビディアが18点満点で圧勝した理由
マグニフィセント7・6ラウンド対決、エヌビディアが18点満点で圧勝した理由
マグニフィセント7は「一つの取引」ではない
マグニフィセント7はS&P 500時価総額の約3分の1を占める巨大グループだ。だからこの7銘柄が動けば指数が動き、私たちの401(k)も動く。私が以前から違和感を持っていたのは、多くの投資家がこの7銘柄を「同じAIストーリー、同じ結果」と一括りで扱っている点だ。
そこで6ラウンド、6指標、重み付け採点(1位3点・2位2点・3位1点)で構造化された対決を行った。結果は、私がこれまで作った中で最も一方的なスコアボードになった。
6ラウンドで測ったもの
各ラウンドはビジネス品質の異なる側面を測定する。
- 純利益率 — 売上1ドルあたりどれだけ利益として残るか
- 売上成長率予想 — どれだけのスピードで拡大しているか
- 投下資本キャッシュリターン(CROIC) — 資本を現金化する効率
- レバードフリーキャッシュフロー利益率 — 負債支払い後の内部キャッシュ創出力
- 利益調整PER(Forward PE ÷ 純利益率) — 利益1単位あたりの割高度
- 負債/自己資本比率 — バランスシートの健全性
最終スコアボード
| 順位 | 銘柄 | 得点 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | エヌビディア | 18 | 6ラウンド全てで1位 |
| 2位 | マイクロソフト | 5 | 安定した利益率とFCF |
| 2位 | アルファベット | 5 | バランスシートの健全性 |
| 4位 | アップル | 4 | FCF強力、成長は最低 |
| 4位 | メタ | 4 | 売上成長率24.8%で2位 |
| 6位 | テスラ | 1 | 利益調整PERが50.36 |
| 7位 | アマゾン | 0 | どのラウンドでもトップ3入りせず |
バリュエーション格差が本当の物語
第5ラウンドで明らかになった格差が一番衝撃的だった。エヌビディア0.45、マイクロソフト0.65、メタ0.75、アルファベット0.91、アップル1.18、アマゾン3.12、そしてテスラが50.36。
わかりやすく言えば、テスラは利益1単位あたりエヌビディアの約111倍、アマゾンの16倍の価格で取引されている。テスラは長年「我々は自動車会社ではなくテック会社だ」と主張してきた。今回はそれを言葉通り受け取ってテック企業の枠組みで採点したのだが、結果はバリュエーションギャップが擁護しがたいほど開いていた。
この結果が意味しないこと
ファンダメンタルズで圧勝したからといって、来四半期の株価がどうなるかを示すわけではない。税金状況やポジションサイズ、集中リスクも考慮していない。5点のマイクロソフトとアルファベットは確かな2軍クラスタを形成し、4点のアップルとメタも壊れたビジネスではない。
ただし、「マグニフィセント7は一つの取引」という前提には明確に異議を唱える結果だった。「どうせ全部同じだから」と均等に保有しているなら、スコアボードは別の話を語っている。
アクティブ投資家への示唆
- インデックスでMag7を保有すると、エヌビディアの18点とアマゾンの0点が混ざる
- アクティブ運用なら、すべてのMag7ポジションにファンダメンタルズに基づく理由が必要
- グループ内のバリュエーション格差がここまで広がった時、無差別な保有より意識的な選別が有効になる
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