原油$115突破 — 50年間すべての暴落に先行したパターンが繰り返されている
原油$115突破 — 50年間すべての暴落に先行したパターンが繰り返されている
ブレント原油先物がバレル当たり$113で取引されている。
しかしこれは紙の上の数字だ。アジアに実際に配送される現物原油の価格は$150を超えた。先物価格と現物価格がここまで乖離すると、市場が現実を否定しているということだ。金や銀市場でも同じ現象が見られる — ペーパー価格が実物市場の本当のストーリーを隠しているのだ。
なぜ注目すべきか?過去50年間、原油がこの水準まで急騰するたびに、例外なく株式市場の大暴落が続いたからだ。「しばしば」ではなく「毎回」だ。
1973年 — 始まり
アラブ石油禁輸措置。原油価格がバレル当たり$3から$11に急騰した。約270%の上昇。S&P 500は48%下落した。
今チャートで見ると背筋が寒くなる。しかし当時もほとんどの投資家は「今回は違う」と思っていたはずだ。
1979年 — イラン革命
原油が$14から$39に上昇。インフレは制御不能の水準に達し、金利は19%まで上がった。深い景気後退が続いた。
現在の状況と比較すると不快なほど類似している。イランというキーワード、原油急騰、インフレ懸念、利上げの可能性 — 1979年のデジャヴュだ。
1990年 — 湾岸戦争
原油急騰。S&P 500が20%下落。1998年には原油が$10から$35に3倍になり、S&P 500は49%下落し、回復に7年かかった。2007年まで。
2008年 — グローバル金融危機
原油が$55から$147に上昇。168%の上昇。グローバル金融危機の直前だった。S&P 500は57%暴落した。原油がシステムのどこかに潜んでいた亀裂を露呈させたのだ。
2022年 — ロシア・ウクライナ
原油81%上昇、S&P 500約7%下落後V字回復。しかしこれは地政学的ショックであり、構造的な供給ショックではなかった。だから市場が比較的早く回復できた。
現在 — そして今回が違う理由
原油が$70から紙市場基準$115、現物基準$150まで上昇した。ホルムズ海峡を通過する原油量が70%減少。1日約500万バレルが消えた。
FRBは3つのシナリオをモデリングした。原油$98の穏健シナリオ(すでに超過)、$115の基本シナリオ(紙市場基準でここ)、$130の深刻シナリオ(大規模グローバル景気後退)。現物価格はすでに$150。FRBの最悪シナリオを超えている。
今回が2022年のロシア・ウクライナと異なるのは、破壊が構造的だという点だ。石油・ガス施設の物理的損傷。イラクのような産油国が貯蔵容量飽和でポンプを停止。戦争が明日終わっても復旧にはかなりの時間がかかる。
「今回は違う」は投資で最も高くつく言葉だと言われる。50年のデータが伝えるメッセージは明確だ。原油急騰は市場暴落の最も信頼性の高い先行指標である。
ドミノチェーン — 原油から市場崩壊まで
原油が市場を直接崩壊させるわけではない。連鎖反応だ。
最初のドミノ:輸送・エネルギーコスト爆発。ディーゼルがガロン当たり$3.50から$5.50に。米国で作られ移動するすべてのものが高くなる。食料品、宅配、すべて。
2番目:生産コスト上昇。石油はプラスチック、化学、肥料、包装、製造などほぼすべての投入原価だ。
3番目:消費者物価上昇。米国の年間インフレ率はすでに4%を超えた。ゴールドマン・サックスはインフレ予想を3%に上方修正した。
4番目:FRBの身動きが取れない。今年3〜4回の利下げを期待していたが、今や市場は利上げ確率50%を織り込んでいる。4回の利下げから利上げへ — 想像を超える逆転だ。
5番目:消費者が財布を閉じる。消費者心理指数は底を打ち、雇用報告は予想外の損失を示し、失業率が上昇している。
すべてのドミノが倒れている。50年の歴史が証明するこのパターンの最後のドミノは、株式市場の調整だ。
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