半導体だけが持ちこたえている — SMH $372崩壊がナスダックを危険にする理由
半導体だけが持ちこたえている — SMH $372崩壊がナスダックを危険にする理由
ほぼ全セクターが崩れている中、一つだけ持ちこたえているセクターがある。半導体だ。
XLK(テクノロジー)、XLF(金融)、XLI(産業)、XLV(ヘルスケア)、XLY(一般消費財)—— 主要セクターETFの大半がデスクロスに突入しているか、すでに形成済みだ。200日移動平均線の下で荒い反発を繰り返しては再び押し戻されるパターンが続いている。しかしSMH(半導体ETF)だけは全く違う絵を描いている。
なぜこれが重要なのか、そしてこの強さが崩れた時に何が起きるのかを整理する。
セクター別比較:SMH vs. その他
| セクターETF | 現在の状況 | デスクロス | 200日線対比 |
|---|---|---|---|
| SMH(半導体) | $372-373のサポート防衛、高値更新を試行中 | 未発生 | 上で反発 |
| XLK(テクノロジー) | 弱気、下方転換 | 目前/進行中 | 下 |
| XLF(金融) | JPモルガン、ゴールドマンなど弱気 | 進行中 | 下 |
| XLI(産業) | 200日線で反発したが勢い弱い | 接近中 | 境界線 |
| XLV(ヘルスケア) | 攻撃的な下落 | 進行中 | 下 |
| XLY(一般消費財) | 弱気継続 | 進行中 | 下 |
差は歴然だ。ほぼ全セクターがテクニカル的に弱気シグナルを発している中、半導体だけがサポートラインの上で高値を切り上げようとしている。
3月26日〜30日が証明したこと
SMHの重要性を最も明確に示した事例がつい数日前にあった。
3月26日から30日の間に、QQQが590ドルから555ドルまで —— 3営業日で35ドル下落した。2月3日以降最大の下げ幅だった。その共通項は何か。SMHが同時に急落していた。
逆に、SMHがサポートラインを防衛している今、ナスダックはデスクロスのシグナルが出ているにもかかわらず「それほど」悪くない。この相関は偶然ではない。半導体は時価総額ベースでナスダックに占めるウェイトが大きいからだ。
個別銘柄に落とし込むと
エヌビディアは反発しているが200日移動平均線の下にいる。ブロードコム(AVGO)もチャートは良くない。一方でAMDは220ドルを防衛し相対的に強く、インテルも意外に強い動きだ。
MAG 7(メガキャップテック)全体で見ると状況はかなり悪い。メタが売り圧力に押されており、他のビッグテックもチャート上で半導体より明らかに弱い。半導体がビッグテック全体に対して相対的な強さを見せていること自体が、意味のあるシグナルだ。
$372-373:この価格が崩れたら
SMHの核心的なサポートラインは372〜373ドルだ。
このレベルが維持される限り、ナスダックがデスクロスを記録し出来高が減少しても、「完全な崩壊」に至るのは難しいと見ている。半導体という柱が立っているからだ。
しかしこのサポートが崩れれば話は完全に変わる。3月末の35ドル急落が示したように、SMHが崩れればナスダックは倍のダメージを受ける。$372を割り込めばナスダックのさらなる下落への確信が非常に高まり、市場全体の弱気転換を確認する最後のパズルのピースとなる。
長期投資家であれば、2年のLEAPS観点でAIインフラ銘柄(ETN、PWR、GEV、VRT)は現在のレベルで魅力的だ。しかし短期トレーディングの観点では、半導体のサポートラインが生きているかを毎日確認することが今最も重要な作業だ。
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