宇宙競争の隠れた勝者:CACIとKamanがSpaceX上場に左右されない理由
宇宙競争の隠れた勝者:CACIとKamanがSpaceX上場に左右されない理由
誰のロケットが飛んでも利益を出す企業
ゴールドラッシュ時代、最も確実に儲けたのは金を掘った人ではなく、つるはしとシャベルを売った人だった。宇宙競争でも同じ構図が成り立つと私は考えている。
SpaceXのIPOが数週間後に迫る中、宇宙関連株全体に注目が集まっている。しかし、私が注目しているのはロケットを作る会社ではない。誰のロケットが飛んでも関係なく利益を出す会社だ。CACI InternationalとKaman Holdingsがまさにそうした企業である。
CACI International:20年連続黒字の宇宙企業
CACIは一般的に政府向け技術・情報コントラクターとして知られている。連邦政府とペンタゴンのサイバーセキュリティやデータシステムを構築する企業だ。しかし、CACIは静かに本格的な宇宙企業へと変貌を遂げた。
転換点となったのはArcaの買収だ。Arcaは低軌道衛星に搭載される電子光学センサーと自律ソフトウェアを製造している。さらにCACIは、衛星同士が宇宙空間で通信するためのレーザーターミナルを製造する、米国でも数少ないメーカーの一つだ。
ここで重要なのは、CACIは衛星が1基打ち上がるたびに勝つということ。誰のロケットがその衛星を運んだかは関係ない。
数字がこのストーリーを裏付けている:
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 連続黒字期間 | 20年以上 |
| 年間利益規模 | 約5億ドル |
| 受注残 | 3年分以上の売上確保済み |
| 現在の株価水準 | 500ドル台前半 |
宇宙関連株バスケットの中で20年連続黒字というのは、ほぼ例外的な記録だ。ほとんどの宇宙企業が赤字を拡大しながら「いつか黒字化する」と唱えているのとは、まったく異なる軌道上にある。
現在の500ドル台前半という価格は、私の企業価値評価を下回る水準だ。そして「つるはしとシャベル」銘柄であってSpaceXの競合ではないため、上場が株価を押し下げる可能性は低いと見ている。
Kaman Holdings:バスケット内で最も割安な銘柄
Kamanはミサイルとロケットの物理的な核心部品を製造している。固体ロケットモーターノズル、ペイロードフェアリング、インナーステージなどだ。これらの部品はパトリオット、スティンガー、ジャベリンといった実戦兵器システムに使われている。
私が注目したデータポイントはこれだ:
- 売上が3年で2倍以上に増加
- 赤字から黒字への転換に成功 — このバスケットではほぼ唯一の達成
- 利益を3年で4倍以上に成長
にもかかわらず、株価は50ドル台後半にとどまっている。私が推定する適正価値の半分程度だ。
Kamanを動かしているのはペンタゴンのミサイル支出であり、SpaceXの上場ではない。つまり、誇大宣伝ではなく実需に基づいて成長している企業だ。
なぜこの2社なのか
根本的な問いはシンプルだ。その企業はSpaceXが勝たなければ勝てないのか、それともSpaceXが何をしても勝てるのか。
CACIは衛星が打ち上がるたびに勝つ。Kamanはミサイルが製造されるたびに勝つ。両社ともすでに実際に利益を出している。これはSpaceX株を市場で買えるかどうかとは無関係のストーリーだ。
SpaceX上場後、安易なマネーがSpaceXに流れ込むとき、誇大宣伝に依存する銘柄は最も大きく下落する可能性が高い。しかしCACIとKamanは誇大宣伝ではなく実績が株価を支えているため、そうした資金移動に対して比較的安全なポジションにあると考えている。
FAQ
Q: CACIは主に政府ITコントラクターであって、宇宙企業ではないのでは? A: 歴史的にはそうだった。しかしArcaの買収により、低軌道衛星用の電子光学センサーと米国でも数少ない衛星間レーザー通信ターミナルが加わった。安定して利益を出す政府サービス事業の上に、宇宙が意味のある成長セグメントとして重なっている構図だ。
Q: ファンダメンタルズがこれだけ強いのに、なぜKamanの株価はこんなに割安なのか? A: 市場の注目はRocket LabやAST SpaceMobileのような知名度の高い宇宙株に集まっている。Kamanはロケットや衛星コンステレーションの話題で見出しを飾ることがない。ミサイル部品を作る企業だ。そのナラティブの可視性の低さが、バリュエーションのギャップを生んでいる。
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