シラーPE39倍、バフェット指標125%割高 — 歴史が示す今後10年のリターン

シラーPE39倍、バフェット指標125%割高 — 歴史が示す今後10年のリターン

シラーPE39倍、バフェット指標125%割高 — 歴史が示す今後10年のリターン

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S&P 500のシラーPE(CAPE)レシオは現在約39倍。140年のデータにおいて史上2番目に高い水準であり、1929年の大恐慌直前(31倍)を上回り、2000年のドットコムバブルのピーク(44倍)に迫っている。

この数字が過去にどのような結果をもたらしたのか、そして現在の投資家にとって何を意味するのかを掘り下げてみたい。

価格がリターンを決める — バリュエーションの本質

投資の核心原理は驚くほどシンプルだ。同じ収益の流れに対して多く支払えばリターンは低くなり、少なく支払えば高くなる。

毎年1ドルの収益を永久に生み出す資産があるとしよう。10ドルで買えば年10%のリターン、100ドルで買えば年1%だ。収益の流れは同じ。購入価格だけがリターンを決定する。これは意見ではなく算数だ。

株式市場全体にも同じ論理が当てはまる。そして、これを測定する最も信頼性の高い2つの指標が、今同時に歴史的高水準の近くに位置している。

シラーPE(CAPE)— 140年のデータが示すパターン

シラーPEは、現在の株価を10年間のインフレ調整済み平均利益で割った値だ。特定の年の利益は景気の好不況や一時的なイベントで歪められるため、10年平均を使って短期的なノイズを除去し、市場が実際にどれほど高いかを示す。

140年間の長期平均は約17倍。市場が17倍のときに投資すれば、歴史的に年9~10%のリターンが期待できた。平均的な価格に平均的なリターンが伴ったということだ。

主要時点のデータを見てみよう。

時点シラーPEその後10年のリターン
1929年(大恐慌直前)31倍マイナス
1960年代後半~25倍ほぼゼロ
1982年(底値)~7倍年11~14%
2000年(ドットコムピーク)44倍マイナス~ゼロ
2026年現在~39倍

パターンは例外なく一貫している。シラーPEが高い時に購入した投資家はその後10年間期待を下回るリターンを経験し、低い時に購入した投資家は優れたリターンを獲得した。

現在の39倍は1929年を上回る。ウォーレン・バフェットが「もう買える会社がない」とファンドを閉鎖した1960年代後半よりもはるかに高い。140年の歴史でこれより高かったのは2000年のドットコムピークだけだ。

バフェット指標 — GDP比で前例のない乖離

ウォーレン・バフェットが「あらゆる時点で株式市場のバリュエーションを測る最も信頼できる単一の指標」と呼んだのがこれだ。計算は単純で、全上場企業の時価総額を米国GDPで割る。

長期的に経済が成長すれば、その中の企業も一緒に成長するはずだという直感的な論理に基づいている。時価総額がGDPを大きく上回れば、市場が経済の実際の生産能力より割高に取引されているということだ。

2000年のドットコムバブルのピークで、この指標はGDPの約1.5倍、つまり45~47%割高を示した。「現代史上最も極端な市場の割高」として記憶される時点だ。

現在はGDPの2倍以上、125%割高の水準にある。一時は130%まで上昇した。

これは歴史的基準からの小幅な逸脱ではない。前例のない水準の極端なアウトライヤーだ。ドットコムバブルのピークすら、現在の水準と比較すると穏当に見える。

高バリュエーションが実際のリターンに及ぼした影響

抽象的な数字を実際の投資家の経験に置き換えてみると、状況が鮮明になる。

2000年の割高時点で投資した場合、配当を除く10年リターンはマイナスだった。配当を含めてもかろうじてプラスマイナスゼロ程度。逆に、1982年の市場が65%割安だった時点で投資した場合、配当なしでも年11~14%。当時の配当利回り4~5%を加えると年15%以上のリターンだった。

1940年代後半の割安期でも年約14%のリターンを記録した。大恐慌直前の割高期は?マイナスリターンだった。

ハワード・マークスも最近のメモで同様の分析を共有している。バリュエーションとその後10年のリターンの関係は、100年以上のデータで一度も崩れていない。

この指標が意味すること、意味しないこと

まず明確にしておきたい。これらの指標は市場がいつ下落するかを教えてくれない。来週暴落するかもしれないし、さらに2年上昇するかもしれない。市場は私たちの予想よりはるかに長く非合理的な状態を維持できる。

すべてを売って現金に移せということでもない。「完璧なタイミング」を現金で待つ戦略はほぼ常に失敗する。最高の買い時は常に最も恐ろしく感じる瞬間に訪れるからだ。

しかし、これらの指標が高い歴史的信頼度で示しているのは、現在のバリュエーションからの今後10年のリターンが、過去10~15年と比較して大幅に低くなる可能性が高いということだ。これは意見ではなく歴史的記録だ。

私が実践している調整はこうだ。過去10年間うまく機能した「インデックスを買って放置する」戦略が、今後も同じ結果を保証するとは限らない。積立投資(ドルコスト平均法)は依然として有効だ — むしろこのような環境でこそ真価を発揮する。市場が横ばいか下落する時、より低い価格で購入し続けることになり、次の上昇相場でその蓄積が爆発的なリターンをもたらす。

しかし、バリュエーションを理解し個別企業の内在価値を分析できる投資家が、これからの10年で確実に有利になるという点は明らかだ。

FAQ

Q: シラーPEが高いと必ず暴落が来るのか? A: いいえ。シラーPEはタイミング指標ではなく、期待リターン指標だ。高バリュエーションは暴落を意味しないが、その後10年のリターンが低いことを高い信頼度で示唆する。140年のデータで例外はゼロだ。

Q: 積立投資をやめるべきか? A: むしろ逆だ。積立投資は市場が横ばいか下落する時により低い価格で購入できるため、高バリュエーション環境では長期リターンを引き上げる中核戦略となる。

Q: バフェット指標がGDP比2倍とは具体的にどういう意味か? A: 米国で1年間に生産されるすべての財とサービスの価値の2倍を、株式市場に支払っているということだ。長期平均は約0.8~1.0倍なので、現在は歴史的平均の2倍以上を支払っていることになる。

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米国大学 Finance & Economics 専攻。証券会社レポートアナリスト。

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