ウーバー、フリーキャッシュフロー15倍の勝負手 — 私が払う価格

ウーバー、フリーキャッシュフロー15倍の勝負手 — 私が払う価格

ウーバー、フリーキャッシュフロー15倍の勝負手 — 私が払う価格

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TL;DR ウーバーは現在、フリーキャッシュフローの約15倍で取引されており、昨年は約100億ドルのフリーキャッシュフローを生み出しました。私自身の割引キャッシュフロー前提で計算すると、中央値ベースで年19%超の期待リターンが出ます。ただし自動運転という構造的リスクは必ず考慮すべきです。

ウーバーはついに「きちんと稼ぐ」会社になった

結論から言うと、ウーバーの本当の物語は配車やフードデリバリーではなく、「ようやく本格的な利益を出している」という点です。

前四半期の移動回数は36億回、前年比20%増。アプリを通じて流れた総取引額(グロスブッキング)は約21%増の537億ドルでした。さらに重要なのは、利益が売上より速く伸びていることです。営業利益は57%も跳ね上がりました。

私が特に注目したのは会員制です。ウーバーワン(Uber One)の会員が5,000万人を突破し、この会員たちがプラットフォーム全体の支出の半分を生み出しています。ロックインが強まっているサインです。

なぜ株価は下がったのか — 会計と「紙の損失」

今四半期に市場を怖がらせたのは二つでした。

一つ目、帳簿上の売上は14%しか伸びませんでした。グロスブッキング(21%)より遅いのですが、これはウーバーの売上計上方法が変わったためです。事業が悪化したわけではありません。

二つ目、最終利益が小さく見えました。しかしこれはウーバーが保有する一部の投資資産で生じた「評価損」であって、実際の営業で損をしたわけではありません。

私は決算を見るとき、いつも一つの問いを立てます。「この変化は一度きりか、繰り返すものか?」今回の利益減少は明らかに一度きりです。

数字で見るバリュエーション

ウーバーは1株約72ドル、時価総額1,510億ドル、企業価値(EV)は1,780億ドルです。この280億ドルの差が実質的な純負債です。

ここで感心したのは — 過去1年でウーバーは約100億ドルのフリーキャッシュフローを生み出しました。つまり3年もかからずに、キャッシュフローだけで残りの負債を返済し、「現金=負債」の中立状態に到達できるということです。

そんな会社がフリーキャッシュフローの15倍で取引されています。毎日使われ、名前が動詞になったサービスとしては、私は割安だと見ています。

  • 売上総利益率 41%
  • 純利益率:直近5年平均6.5% → 昨年15.9%
  • フリーキャッシュフロー > 純利益(稀で健全なサイン)
  • 投下資本利益率(ROC):5年間ずっとマイナス → 昨年8.36%

特にフリーキャッシュフローが純利益を上回る点を強調したいです。フリーキャッシュフローは事業の生命線であり、それが純利益を上回る会社はめったにありません。

8つの柱と希薄化の問題

8つの柱(Eight Pillars)のチェックで、ウーバーは4つ通過、4つ不合格です。不合格は5年PER、5年P/FCF、5年ROC(マイナスだったため)、そして発行済み株式数5.8%増です。

前の三つは過去5年の実績が悪すぎた反動なので、私は現在の数字を重視します。問題は株式の希薄化ですが — 私は会社が株主持分を希薄化させるのを好みません。ただ四半期ベースで見ると、発行済み株式数は2024年から減少に転じています。そしてフリーキャッシュフロー15倍程度なら自社株を「安く」買っていることになり、この程度の希薄化は許容できると考えます。

私が払う価格 — 前提と結論

バリュエーションは結局、未来の前提です。今後10年についての私の前提はこうです。

  • 売上成長率:4% / 7% / 10%
  • 純利益率・フリーキャッシュフロー率:18% / 22% / 26%(昨年18%達成、改善継続を想定)
  • 10年後に付与するPER・P/FCF倍率:18 / 22 / 26
  • 要求リターン9%、安全マージンなし

市場平均倍率は長期的に15〜16倍ですが、良い会社にはプレミアムを払うべきです。ROCはまだ優秀ではありませんが、私はウーバーを参入障壁の高い「モート(moat)」企業と見ています。

分析ボタンを押すと — 現在値73ドルに対して、安値85ドル、高値255ドル、中央値150ドルが出ます。中間の前提では、割引キャッシュフローの期待リターンは年19%超です。

もちろんこれは「自動的な買い」シグナルではありません。私にとっては「もっと深く調べろ」というサインです。アナリストは7年かけてEPSが313から504へ伸びるものの途中で減速し、売上も600億から1,040億ドルへ増えるが成長は鈍化すると見ています。なぜ減速するのか?自動運転(ロボタクシー)がウーバーを脅かすという論理です。同じ物差しでプレミアム成長株を測ったネットフリックス・メタの話はネットフリックス vs メタ編に続きます。

よくある質問

Q: フリーキャッシュフローの15倍は本当に割安ですか? A: 毎日数億人が使い、営業利益が57%増え、フリーキャッシュフローが純利益を上回る会社としては、私は割安だと見ます。ただし「割安」は成長継続を前提とした判断なので、自動運転リスクと併せて見る必要があります。

Q: 自動運転はウーバーを崩壊させますか? A: 最も論理的な弱気論です。鍵はウーバーがロボタクシー企業と「どう提携するか」です。ウーバーの需要ネットワークとアプリ支配力が、自動運転時代でも流通チャネルとして残れるかが焦点だと考えます。

Q: 発行株式の増加は問題では? A: 5年累計では5.8%増ですが、2024年からは減少に転じています。そして自社株を安く買い戻しているなら、その「希薄化」はむしろ株主価値を高め得ます。

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Ecconomi

米国大学 Finance & Economics 専攻。証券会社レポートアナリスト。

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