SpaceX IPOに潜む1.75兆ドルの罠:売上95倍という数字が語ること
SpaceX IPOに潜む1.75兆ドルの罠:売上95倍という数字が語ること
エヌビディアが24兆ドルだと言われて信じますか?
もし私がエヌビディアの適正価値は24兆ドルだと言ったら、おそらく笑うでしょう。そしてその笑いは正しい。ところが、今SpaceXに付けられている値札は、まさにその水準の論理の上に立っています。
SpaceXは数日後に、約1.75兆ドルの評価額で上場します。この数字を実感するには比較が必要です。コカ・コーラ、マクドナルド、ディズニー、ナイキ、スターバックス。半世紀以上アメリカ人の生活に溶け込んできた5つのブランドを全部足しても、SpaceX一社がその2倍近い価値になります。
私がこのIPOを見て最初に立ち止まったのは、派手なロケットではなく、その値段の算数でした。
95倍という数字がすべてを語る
結論から言うと、SpaceXは売上に対して約95倍で値付けされています。
1.75兆ドルの評価額に対し、年間売上は190億ドルに届きません。割ると約95倍のPSR(株価売上高倍率)になります。この倍率がどれほど非現実的か実感できないなら、同じ計算をエヌビディアに当てはめてみてください。エヌビディアが売上95倍で取引されるなら、時価総額は約24兆ドルでなければならない。誰もそんな価格を真に受けません。
ところがSpaceXには、その算数がそのまま組み込まれています。
企業価値評価を生業とするモーニングスターでさえ、SpaceXの適正価値を提示価格の半分以下と見ています。これほどの乖離はめったにありません。
あなたが実際に買う会社はロケット会社ではない
ここでもう一度立ち止まる必要があります。SpaceXは多くの人が思っている会社ではありません。
誰もがロケットとスターリンクを思い浮かべます。数か月前まではそれが会社のすべてだったのも事実です。ところがイーロン・マスクが自身のAI事業xAIをSpaceXに丸ごと統合しました。Grokを動かすデータセンターが、いまやSpaceXの一部だということです。
正直、私の視点ではこの部分こそが、この会社をかろうじて買う価値のあるものにしている断片です。実際の現金を生み出しているのがまさにここだからです。グーグルやアンスロピックといった名前がその計算能力を借り、SpaceXは月20億ドル近い売上を取り込んでいます。
ですからSpaceX株を買うとは、ロケットに賭けることというより、宇宙事業とAIインフラが一体化した非常に高価な複合体に賭けることなのです。
最も熱いIPOが個人投資家に門を開く理由
この価格帯で、SpaceXはほぼどんな人気IPOもしない行動を取っています。物量の最大30%を一般投資家に渡し、最低購入額を数千ドル水準まで下げました。
史上最も望まれたIPOが個人マネーをここまで切実に求めるなら、それは何かを示すシグナルだと私は見ます。本当に皆が欲しがって仕方ないものなら、わざわざ門を広く開ける必要はありません。
私の結論:宇宙ではなく価格の問題
誤解しないでください。私は宇宙産業を信じています。ただ、どんな会社も売上の100倍近い価値はないと考えます。
これはSpaceXを恐れろという文章でも、追いかけて買えという文章でもありません。あなたのポートフォリオに何が入ってくるのかを正確に理解しろという文章です。派手なロケット映像の裏にあるのは売上95倍という数字であり、その数字は感情ではなく事実として読むべきです。
FAQ
Q: SpaceXの95倍PSRとは正確に何を意味しますか? A: 1.75兆ドルの評価額を190億ドル未満の年間売上で割った値です。1ドルの売上に95ドルの価格が付いているという意味で、成熟した大型テックの基準でも極端に高い倍率です。
Q: なぜxAIの統合が重要なのですか? A: ロケットやスターリンクと違い、データセンターの貸し出しは即座に実際の現金を生みます。グーグルやアンスロピックなどが計算能力を借り、月20億ドル近い売上が入っており、評価額を支える核心的な根拠になっています。
Q: モーニングスターはなぜ半分以下と評価するのですか? A: 現在の売上やキャッシュフローに対して要求価格が高すぎるためです。将来の成長を織り込んでも、現時点の適正価値は提示価格の半分に届かないと見ています。
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